ボン・ジョビ登場にびっくり!「善意の拡散=ペイ・フォワード」を実践した少年の感動物語『可能の王国』
ある少年の「親切の輪」が傷ついた人々を癒す
11歳の少年トレバーは、社会科の授業中、担任のシモネット先生から「もし君たちが世界を変えたいと思ったら、何をする?」と問い掛けられる。悩んだ末にトレバーはあるアイデアを思いつく。それは”ペイ・フォワード”。
ペイ・フォワードとは、他人から受けた厚意をその人に返すのではなく、まわりにいる別の人へと贈っていく……というアイデアだった。やがて、トレバーの考えたユニークなアイデアが広がり、心に傷を負った大人たちの心を癒していく――。
『ペイ・フォワード 可能の王国』© Warner Bros. Entertainment Inc. & Bel Air Pictures LLC
「恩送り」の心が分断を融かし復興につながる?
映画『ペイ・フォワード 可能の王国』の主人公トレバー(ハーレイ・ジョエル・オスメント)は母アーリーン(ヘレン・ハント)のワンオペ家庭であることなどから、周囲の大人たちの“弱さ”を目の当たりにしてきた。「親切をしよう」と思い立ってもなかなか「ハイ親切どうぞ」とはいかないものだが、その想い自体が自身の行動を変え、そして周囲はそれをきちんと受け取っているのだ。
『ペイ・フォワード 可能の王国』© Warner Bros. Entertainment Inc. & Bel Air Pictures LLC
原作者のキャサリン・ライアン・ハイド自身、かつて自動車事故にあった際に見知らぬ人に助けられるも、その人たちは名乗ることもなく、お礼を言う間もなく去っていったという経験が執筆のきっかけになったのだという。本作は2001年の日本公開時は興収的には振るわなかったようだが、災害大国でもあるこの国では自助や共助とは別の意味での「恩送り」こそが、真の復興に繋がるヒントになるかもしれない。
『ペイ・フォワード 可能の王国』© Warner Bros. Entertainment Inc. & Bel Air Pictures LLC
ちなみに本作は今観ると演出(セリフ)の端々から時代を感じさせるものの、当時だから出来たであろうピリッとスパイシーなネタもあったりして、色んな意味で楽しい作品でもある。アル中の母を演じたヘレン・ハントの熱演、そしてDV夫役のジョン・ボン・ジョヴィもお見逃しなく。もちろん、衝撃的すぎる結末も……。
『ペイ・フォワード 可能の王国』© Warner Bros. Entertainment Inc. & Bel Air Pictures LLC
『ペイ・フォワード 可能の王国』はCS映画専門チャンネル ムービープラスで2025年2月放送