なぜ今!? 名作映画「まさかの続編」製作の裏側を考察!『ブルース・ブラザース』再々結成の噂や『ボーン』シリーズ続編情報も
『ブルース・ブラザース2000』© 1998 Universal City Studios Productions, Inc. All Rights Reserved.
『ボーン』シリーズの再開を決めたマット・デイモン
久しぶりに続編が制作される作品としては、マット・デイモン主演のスパイ・アクション『ボーン』シリーズがある。第1作『ボーン・アイデンティティ』が製作されたのは今から22年前の2002年のこと。――米国CIAが3000万ドルかけて作り上げた人間兵器の諜報員ジェイソン・ボーンは、格闘技や武器の扱い、車の運転テクニックはもちろん、語学力も危機察知能力も最高の達人だが、要人暗殺ミッションをしくじって撃たれ、記憶を失ったという設定。背景には、ターゲットの家族を目にして非情に徹しきれず暗殺を躊躇した人間味があり、彼が自らのアイデンティティを回復させていくことが物語のキモとなっていた。
『ボーン・アイデンティティー』
Blu-ray:1,886円+税/DVD:1,429円+税
発売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント
※2019年4月の情報です。
超人的なヒーローである『ミッション:インポッシブル』のイーサン・ハントや、秘密兵器を涼しい顔で使いこなすロジャー・ムーア時代のジェームズ・ボンドと違って、傷つき、悩みながら孤独に戦うボーンはリアリティのあるキャラクターとして多くの観客に支持され、続編の『ボーン・スプレマシー』(2004年)、『ボーン・アルティメイタム』(2007年)、『ジェイソン・ボーン』(2016年)、そしてスピンオフの『ボーン・レガシー』(2012年)やドラマシリーズ『トレッドストーン』(2019年~)などが既に公開され、いずれも好評を博している。それらは、ダニエル・クレイグ版『007』シリーズのボンドの設定にも少なからぬ影響を与えているように思う。
『ボーン・アイデンティティー』© 2002 Kalima Productions GmbH & Co.KG. All Rights Reserved.
その意味では、何十年振りの“まさかの続編”とは異なり、コンスタントにシリーズとして製作されている『ボーン』シリーズだが、それでも『ジェイソン・ボーン』からは8年振りとなるわけで、まだマット・デイモンの続投すら確定していない段階とはいえ、どのような展開の新作となるのか、要注目だ。
伝説の『ブルース・ブラザース』と賛否両論だった続編『ブルース・ブラザース2000』
もう一本、久しぶりの続編プランとしては、故ジョン・ベルーシとダン・エイクロイドのコンビで一世を風靡した『ブルース・ブラザース』(1980年)の続編プランが8年ほど前からエイクロイドによってメディアに語られていて、脚本も既にできているという。
『ブルース・ブラザース』© 1980 Universal City Studios, Inc. All Rights Reserved.
オリジナル版は、音楽マニアとして知られるジョン・ランディスが監督を務め、ジェームズ・ブラウン、キャブ・キャロウェイ、アレサ・フランクリン、レイ・チャールズといった大物ミュージシャンが登場して音楽ファンをも唸らせたほか、スパイナル・タップ同様に劇中の架空のR&Bバンドとして結成されたブルース・ブラザースが、実際にジェイク(ベルーシ)とエルウッド(エイクロイド)をメインボーカルとして音楽活動も行った。
1982年のジョン・ベルーシの急死後、1998年には同じスタッフ・キャストで『ブルース・ブラザース2000』(1998年)が製作され、新たにB・B・キングやエリック・クラプトンが出演するサプライズもあったものの、ジョン・ランディスの演出は前作ほどの突き抜け感はなかったように思う。
『ブルース・ブラザース2000』© 1998 Universal City Studios Productions, Inc. All Rights Reserved.
ランディスは『トワイライト・ゾーン/超次元の体験』(1983年)撮影中の不幸な事故で経済的にも精神的にも大きなダメージを受けたはずだが、もし本当に『ブルース・ブラザース』の新作が製作されるなら、ぜひともまたランディスに監督してもらい、エッジを取り戻してもらいたい。
今後、まさかの続編製作が期待される幻の作品を勝手に大予想!
さて、リドリー・スコット監督、ラッセル・クロウ主演でアカデミー賞作品賞・主演男優賞に輝いた『グラディエーター』(2000年)が、新たにポール・メスカル主演で続編製作に入るというニュースもあるが、オリジナル版の主演俳優が、長いインターバルを経て再び同じ役を演じる“まさかの続編”パターンだと、あまり知られていないと思うが、実はジョニー・デップの代表作『シザーハンズ』(1990年)にも、続編にあたる短い特別映像が製作されている。
Tim Burton, Vincent Price and Johnny Depp on the set of Edward Scissorhands (1990) pic.twitter.com/rS4wX5X4PX
— Classic Horror Films (@HorrorHammer1) December 13, 2023
それは、2021年2月に行われたスーパーボウル(全米が注目するNFLの頂上決戦)のハーフタイムで放送されたキャデラックのCMで、前作でデップ演じるエドワードと結ばれたヒロイン=キム役のウィノナ・ライダーが31年振りに同役で登場、二人の間に生まれた息子エドガーをティモシー・シャラメが演じていた。
Cadillac’s Edward Scissorhands-themed #SuperBowl ad featuring Winona Ryder reprising her role from the movie and Timothée Chalamet as the son of Edward Scissorhands pic.twitter.com/fKPgYXYuPS
— Film Updates (@FilmUpdates) February 7, 2021
同じくデップの代表作『チャーリーとチョコレート工場』(2005年)の前日譚『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』(2023年)でデップ=ウィリー・ウォンカの若き日を演じたシャラメが、映画版として『シザーハンズ』の続編に主演するのはありそうな話だ。
『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』© 2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.
ほかに、個人的には『スパイナル・タップ2』の勢いで、ロブ・ライナー監督にはぜひ『恋人たちの予感』の続編も製作してほしい。――オリジナル版の主演を務めたビリー・クリスタルもメグ・ライアンも齢を重ねたが、昨年12月に、クリスタルはケネディ・センター名誉賞を受賞し、お祝いのスピーチをしたロバート・デ・ニーロは「君はまだ75歳だ。つまり、大統領に選出されるのに最適な年齢まであと6年ある」と、同じく会場にいたジョー・バイデン大統領を引き合いに出して笑わせていたが、もちろん、会場にはロブ・ライナーもいた。
一方のメグ・ライアンも、監督・主演を務める新作『What Happens Later(原題)』で久しぶりにラブ・コメに復帰することが伝えられたばかり。ロブ・ライナー監督、ビリー・クリスタル&メグ・ライアン主演、ゲスト出演ロバート・デ・ニーロで『恋人たちの予感2』が作られるというのも、案外正夢になるのではないだろうか?
文:谷川建司
『ジェイソン・ボーン』『ボーン・アイデンティティー』『ボーン・アルティメイタム』『ボーン・スプレマシー』『ボーン・レガシー』はCS映画専門チャンネル ムービープラス「ボーンシリーズ イッキ観!」で2024年1月放送
『ブルース・ブラザース』『ブルース・ブラザース2000』はCS映画専門チャンネル ムービープラス「ブルース・ブラザース イッキ観!」で2024年1月放送
https://www.youtube.com/watch?v=5jIHJXuFWu0
『ジェイソン・ボーン』『ボーン・アイデンティティー』『ボーン・アルティメイタム』『ボーン・スプレマシー』『ボーン・レガシー』
CS映画専門チャンネル ムービープラス「ボーンシリーズ イッキ観!」で2024年1月放送
『ブルース・ブラザース』『ブルース・ブラザース2000』
CS映画専門チャンネル ムービープラス「ブルース・ブラザース イッキ観!」で2024年1月放送