戸田恵子×中尾隆聖が〈ばいきんまんの魅力〉を語る!映画『それいけ!アンパンマン ばいきんまんとえほんのルルン』超貴重インタビュー【前編】
映画『それいけ!アンパンマン ばいきんまんとえほんのルルン』
©やなせたかし/フレーベル館・TMS・NTV
©やなせたかし/アンパンマン製作委員会2024
戸田「アンパンマンの世界に“本当の悪人”はいない」
―本作ではルルンとばいきんまんが力を合わせて<ウッドだだんだん>を作るシーンがあります。バイキン城とは違って作る道具もない中、ばいきんまんが必要な道具作り方から黙々と作業をする、という名シーンでした。このシーンは演じられていかがでしたか?
中尾:映画の中で良いシーンがいくつかありますが、あそこも名シーンですね。バイキン城にある道具を使ってメカなどを作ることは多々ありましたが、手作りで道具から作るというのは初めてです。いろんなメカを作ってきましたが、その作るプロセスというのは見せてくれていなかったので、そこまで見られたのがすごく良かったと思います。
戸田:逆にアンパンマンは何かを作るというシーンはこれまであまりなくて、どちらかというと不器用で、でんでん一座に呼ばれてお芝居をやるときは棒読みになってしまうなど緊張しいだったりして、完ぺきではないというのがいいですよね。
やなせ先生は、アンパンマンは完ぺきではない、顔が濡れてしまうと元気が出なくなってしまう、カッコいいヒーローではないんだと仰っていましたね。弱点がある中で戦っていくし、負けない。ばいきんまんも同じで、何度負けても、また戻ってくる。アンパンマンの世界には「本当の悪人」がいなくて、強い言葉を言うキャラクターもいるけれど、みんな本心はそうじゃないとわかっているし、その中でうまく共存しているという世界ですね。
戸田恵子
映画『それいけ!アンパンマン ばいきんまんとえほんのルルン』
©やなせたかし/フレーベル館・TMS・NTV
©やなせたかし/アンパンマン製作委員会2024
中尾「嫌われ者のばいきんまんでも必要としている子がいる。アンパンマンの物語が大切にしていること」
―ルルン(声:上戸彩)へのアプローチが、アンパンマンは寄り添って優しい言葉をかけて、ばいきんまんは背中で見せつつ力強い言葉をかけていて、対照的で興味深かったです。お二人はアンパンマンとばいきんまんのルルンへの接し方について、どう感じられましたか?
戸田:人間の世界でも同じだと思うのですが、アンパンマンはルルンを一人にさせないというか、「誰かがいるんだよ」というのを伝えていたのかと思います。アンパンマンの物語では、メインの子が勇気がなかったり、悩んでいたりというのが多くて、アンパンマンはその子に寄り添って、側にいてあげたり、言葉をかけてあげていますね。
中尾:ばいきんまんは、ばいきんまんのスタンスの中でルルンと向き合っていますね。すいとるゾウ(声:岡村隆史)がいなくなれば絵本の世界を仕切れるという中で戦って、最終的には「アンパンマンを呼んでこい!」になるんですが、いつもは一人で頑張っているばいきんまんも、最後にルルンが「(この絵本の世界に)一緒にいて」と優しく言ってくれる。嫌われ者のばいきんまんでも必要としている子がいるんだと、アンパンマンの物語が大切にしていることが描かれているんだと思います。
【👇️インタビュー後編👇️】
『それいけ!アンパンマン ばいきんまんとえほんのルルン』は大ヒット上映中
『それいけ!アンパンマン ばいきんまんとえほんのルルン』
ばいきんまんが愛と勇気の戦士に!?
ある日、一冊の絵本を見つけたばいきんまん。
絵本から「愛と勇気の戦士ばいきんまん、助けにきて!!」と声が聞こえ、絵本の中に吸い込まれてしまいます。
砂漠の先に広がる大きな森で出会ったのは、森の妖精・ルルン。
怖がりで勇気が出せないルルンは、森で大暴れする“すいとるゾウ”をやっつけてほしいとばいきんまんにお願いします。
最初は嫌がりながらも、諦めずに立ち向かうばいきんまんの姿にルルンは勇気がわいてきます。
しかし、すいとるゾウの強さに大苦戦!
絶体絶命のピンチの中、ばいきんまんはルルンに「アンパンマンを呼んでこい!」と伝えるのでした ――。
制作年: | 2024 |
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は2024年6月28日(金)より全国公開中